1.評価試験装置を用いた護岸材の相対評価 平成17年度に引き続き、護岸材評価試験装置を用いて、流速10cm/secから50cm/secにおいて、環境保全型ブロック2種、かごマット、ヨシ原の相対評価を実施した。対象魚は日本の河川で一般的なオイカワ、カワムツ、コイ、カマツカを用いた。その結果、流速50cm/s程度のとき、底生魚以外の魚においてはブロックには避難場所としての効果があること、底生魚は入り口の位置が河床より高い位置にあると、ブロックを利用しにくくなる可能性があること、環境保全型ブロックは遮蔽物としても利用されている可能性があること、低流速域にヨシがあれば魚はブロックよりもヨシを避難場所とすること、オイカワ、カワムツのような体長が小さい魚にとっては全体から出入りできるかごマットは有効であること、かごマットや礫をつめた環境保全型ブロックでは大型魚は利用できないことなどを定量的に明らかにした。 2.護岸材周辺に特有の環境因子の解析(関根) 実験装置における各実験条件の流速、乱れ、気泡などの環境因子を計測した。この結果と1の成果をあわせ、申請者らが15年度〜16年度に開発した修正乗法形選好強度式のうち流速条件、遮蔽条件に対する定量評価を試み、流速条件により魚の分布の75%が説明できることを示した。 3.構造物周辺の流況および気泡の分布を計算できる流況シミュレーションモデルの作成 申請者らが開発した数値振動を引き起こさない高精度・高解像度移流項計算スキームに、気泡の連行過程を組み込んだ計算を行った。
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