研究概要 |
1.開発したマイクロカプセル線量計の性能評価 試料にマイクロカプセル線量計を添加後,静止状態および混合状態で紫外線を照射し,マイクロカプセル線量計の測定値から求めた線量分布と計算で求めた線量分布とを比較することにより,開発した線量計を用いた線量計算の妥当性を評価した。その結果,混合系で紫外線を照射した場合,個々のカプセルに照射される紫外線線量はおおむね均一となることからヒストグラムはシャープとなった。一方,静止系で紫外線を照射した場合は個々のカプセルに照射される線量に分布(50〜23mJ・cm^<-2>が生じることからヒストグラムがブロードになった。また,平均紫外線照射線量をヒストグラムの中央値から算出したところ,混合系で35mJ・cm^<-2>,静止系で33mJ・cm^<-2>となり,計算値(35mJ・cm^<-2>)とほぼ一致した。以上の結果から開発したマイクロカプセル紫外線線量計で紫外線照射線量分布を測定できることが示唆された。 また,二重管型紫外線照射装置にマイクロカプセル紫外線線量計を流通させ,線量分布を調べたところ,流動計算から求められた理論値とほぼ一致することを確認した。 2.成果の公表 昨年度出願した特許(「流動微小物質用の輻射線線量計,及び輻射線線量の測定方法」特願2006-067511)に関する追加出願および国際出願("Radiation dosimeter for fluid very small substances, and method for measuring radiation dose" PCT/JP2007/054665)を行ない,国際公開(WO2007/108332A1)された。
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