• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

地下水涵養におけるバイオマスの有効利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17560493
研究機関和歌山工業高等専門学校

研究代表者

大久保 俊治  和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (30108477)

研究分担者 佐々木 清一  和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90043546)
キーワード地下水 / 人工涵養 / バイオマス / 硝化 / 脱窒
研究概要

平成18年度研究実績の概要
1.目的
昨年度の研究から、地下水涵養における生物学的目づまりや硝酸性窒素除去に及ぼすバイオマス添加の影響に関して、脱窒反応の有機炭素源である稲わら、木くず、もみがら等のバイオマスを添加した砂カラム実験を実施した結果、稲わら添加が窒素・リン除去に大きな効果があることが明らかになった。
本年度の研究では、水質改善効果の高い稲わらを利用して、稲わら添加量や流入負荷が水質改善効果に及ぼす影響を定量的に明らかにし、地下水人工涵養システムの設計諸条件を明らかにすることを目的とする。
2.実験装置および方法
実験装置は、透明塩ビ製カラムで、内径80mm、高さ1500mmである。充填層の高さは900mmで、(1)標準砂のみ(コントロール)、(2)標準砂+稲わら(12.5g)、(3)標準砂+稲わら(25g)、(4)標準砂+稲わら(50g)の充填条件で実験を行った。流入水は和歌山高専排水処理施設の放流水を使用した。流入負荷(浸透水位)は0.4m/日で、約3ヶ月間変水位ろ過方式で浸透実験を行った。測定項目は、pH、TOC、NO_3-N、NO_2-N、NH_4-N、PO_4-P、DO、SS、透水係数である。
3.結果と考察
バイオマス充填カラムに流入負荷:0.4m/日で約3ヶ月間浸透した結果から、稲わら充填カラムでは生物学的硝化・脱窒反応が進行し、稲わらの添加量が多いほど窒素の除去率が高く値を示した。稲わらの添加量が0g、12.5g、25g、50gと増加するとともに、T-N除去率は0%、30.4%、44.6%、61.2%と増加した。また、バイオマスの充填効果は、PO_4-Pの除去でも見られ、稲わらの添加量がOg、12.5g、25g、50gで、T-P除去率はそれぞれ23.5%、37.9%、48.2%、49.5%を示した。稲わらの添加は、T-P除去より、T-N除去に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。
浸透層の表層で起こる目詰まりについては、不飽和状態で浸透した方が飽和状態に比べ目詰まりの発生速度が遅いことが明らかになった。
4.今後の課題
今後は、バイオマス添加による生物学的硝化・脱窒活性の増加などの水質改善に最適な諸条件などを明らかにし、バイオマスを有効利用した地下水人工涵養システムの計画設計条件などを明らかにする必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 日高川流域における水質特性に及ぼす土地利用の影響について2006

    • 著者名/発表者名
      大久保俊治, 松嵜敦, 藤野利樹
    • 雑誌名

      第43回環境工学研究フォーラム講演集(土木学会) 43

      ページ: 89-91

  • [雑誌論文] 地下水人口涵養におけるバイオマスの有効利用2006

    • 著者名/発表者名
      天倉和也, 平岡大雅, 那須和也, 大久保俊治
    • 雑誌名

      第43回環境工学研究フォーラム講演集(土木学会) 43

      ページ: 86-88

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi