研究課題/領域番号 |
17560503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
釜江 克宏 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50161196)
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研究分担者 |
川辺 秀憲 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00346066)
入倉 孝次郎 愛知工業大学, 地域防災研究センター, 客員教授 (10027253)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 海溝型巨大地震 / 東南海・南海地震 / 長周期地震動予測 / 震源のモデル化 / 大規模堆積盆地 / 3次元有限差分法 / 大阪平野 |
研究概要 |
海溝型巨大地震である南海・東南海地震が発生した場合、震源域から100km以上も離れた大阪平野や濃尾平野などの大規模堆積盆地では、強い長周期地震動に襲われる可能性が大である。本研究では、高精度な長周期地震動予測を行うため、3次元堆積盆地構造や伝播経路特性と長周期地震動との関係を観測記録や3次元有限差分法を用いた理論地震動によって検討し、大阪平野内における長周期地震動予測のための最適な減衰特性の与え方などを提示するとともに、東南海、南海地震時などの海溝型巨大地震の震源のモデル化手法(レシピ)の有効性を実地震によって検証し、最後に大阪平野を対象として想定南海・東南海地震時の長周期地震動予測を行った。 具体的にはまず、地震記録のシミュレーションによって3次元差分法を適用した長周期地震動評価に際しての減衰の与え方として、Q値をS波速度(m/s)の1/2程度(リファレンス周期:1秒)とすることが最適であることを示した。次に、2003年十勝沖地震や2005年宮城県沖地震の最適な震源モデルをフォワードモデリングによって評価し、その結果が入倉レシピによって予測可能であることを示した。最後に、想定東南海地震や想定南海地震時における大阪平野内での高精度な長周期地震動予測を行い、いくつかの予測地震動の特徴を示した。特徴をまとめると、東南海地震時には大阪平野の東側端部の東大阪(生駒山の西側)において、南海地震時には大阪平野の南側端部及び神戸において、それぞれ盆地端部の影響で振幅が大きくなること、予測地震動の卓越周期に着目すると、神戸や大阪平野南部など盆地端部地域では周期3〜4秒が、大阪平野の中央部では周期5秒が、東大阪及び大阪湾周辺の海岸部では周期6〜7秒の地震波が卓越する結果となり、大阪平野内における予測地震動の卓越周期は堆積層の厚さとも関係し、場所ごとに異なることを示した。
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