研究分担者 |
松藤 泰典 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (20037922)
山口 謙太郎 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (10274490)
小山田 英弘 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助手 (80233625)
伊藤 是清 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 学術研究員 (50380663)
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研究概要 |
平成17年度は,申請者らが提案する方法,即ち,セメント量を減らさずに粉体を外割で混合するため混合量の増大とともにコンクリートの強度や耐久性が向上する方法を適用したコンクリート(以下外割コンクリート)の用法を検討し,ならびにそのメリットとして以下を確認した。なお,これらを実験室実験のみではなく実機生コンクリート工場で練り混ぜ,実大模擬試験体により実証を行った。 1)マスコンクリート 石炭灰を外割混合したコンクリートは,石炭灰の反応性が低いため,無混合の場合よりも強度が高くなるにもかかわらず温度上昇を抑制できることを実験室実験および実大実験により確認した。とくに実大実験では1.0m角の試験体を打設し,熱電対を用いて中心から表面にかけての温度分布及びその経時変化を測定して検証を行った。 2)高流動コンクリート 石炭灰を外割大量混合した高流動コンクリートが,高い流動性,ハンドリングの良さ,型枠への良好な充填性を示すことを実大施工実験で確認した。また,脱型後の表面が緻密で美しく,暴露後の汚れも少ないことを実大試験体で確認した。これらについてはさらに長期の検証を行う。また,長期にわたり良好な強度発現を示すことや,収縮が小さいことを実験室実験および実大実験で検証した。 3)高強度コンクリート 石炭灰や,石灰石粉,砕石分などの種々の非反応性無機粉体を外割混合したコンクリートの強度が,混合量の増大とともに高くなることを確認した。また,その強度発現は,これらの粉体の混合により,硬化体中の空隙の総量は変わらないものの,50nm以上の粗大な空隙が減少することにより生じることを定量的に確認した。 4)暑中期建設現場の作業環境測定 石炭灰を大量混合したモルタルあるいはペーストは大きな流動性を示し,セルフレベリングモルタル/ペーストとしての使用が期待できることを実験室実験ならびに実施工実験で確認した。
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