研究概要 |
平成18年度は,申請者らが提案する方法,即ち,セメント量を減らさずに粉体を外割で混合するため混合量の増大とともにコンクリートの強度や耐久性が向上する方法を適用したコンクリート(以下外割コンクリート)の用法を検討し,ならびにそのメリットとして以下を確認した。なお,これらを実験室実験のみではなく実機生コンクリート工場で練り混ぜ,実大模擬試験体により実証を行った。 1)粉体外割コンクリートの性能発現メカニズム コンクリートの圧縮強度や、中性化、塩害などに対する耐久性が向上するメカニズムを、組織構造から検証した。特に、力学特性については、その変形能力、剛性、破壊性状に関して詳細な検討を行った。 2)アルカリシリカ反応抑制効果 同コンクリートがアルカリシリカ反応抑制効果を有することを、種々の骨材、フライアッシュを始めとする種々の粉体において広範囲に検証した。 3)再生骨材 コンクリート構造物の解体に伴って発生する廃コンクリートがらを外割コンクリートの骨材として用い、その緻密なマトリクスの効果で耐久性の低下が抑制できることを検証した。 4)スラリー効果 これらの粉体は予めスラリー化して用いるが、そのメリットであるコンクリートの流動性向上効果の原因に関して物理的、化学的両側面から広範囲な検討を行った。 5)実大レベル試験体の長期強度ならびに耐久性状 粉体のうちフライアッシュに関しては既に生コン工場で製造実験を実施し、実大模擬試験体を作成したが、その強度や耐久性を3年間にわたり測定し検証した。 6)実大レベル試験体の構造性能 実大レベルのはり試験体を作成し、構造体レベルでの強度・挙動に関する実験を行った。
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