研究課題/領域番号 |
17560513
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
本間 俊雄 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60311883)
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研究分担者 |
山本 憲司 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70311884)
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キーワード | 遺伝的アルゴリズム / 解の多様性 / 優良解 / パレート最適フロント / 単一目的最適化問題 / 多目的最適化問題 / 局所パレートフロント / 数理計画法 |
研究概要 |
構造形態の多様性を許容することは、最適解ではないものの存在を否定しない多くの構造形状を探し出すことである。ここに、デザイナによる評価基準(美的感覚・感性)を導入すれば、デザインのヒントが提供され、デザインの幅が広げられる可能性を持つ。 本研究テーマはこの点に着目し、形態発想支援を目指すため、生物的アプローチによる計算手順に美的感覚・感性を結び付けたシステム開発に関する基礎研究である。 2006年度の具体的な研究実績は、生物的アプローチの内、多くの研究者や実務者に慣れ親しまれている遺伝的アルゴリズム(GA)を基準に、強度・グループ・記憶細胞を導入し、多種多様な解が得られるISGA(GA with immune System)の開発に成功した。 開発アルゴリズムISGAは、単一目的最適化問題と多目的最適化問題に区別することなく利用することができる。 ISGAの成果は、GAで利用されている単一目的最適化に対するベンチマーク問題に適用し、多様な解が得られることが知られている免疫アルゴリズム(IA)や免疫型GAの解と比較し、ISGAが今までにない多様性を維持した解が得られることを明らかにした。多目的最適化問題に対しても単純な2変数関数の問題を用いて、パレート最適フロント付近の比較的評価の良い解を漏れなく捉えることができるようになった。また、多目的最適化問題に対しては、計算パラメータの与え方により、パレート最適フロントだけでなく、単一目的最適化問題で現れる局所最適解に対応する局所パレートフロントを探索することができる今までに報告されていない新しい結果が得られている。 これらのアルゴリズムを搭載した簡易システムを学生に提供し、「コロキウム構造形態の創生2006」の形態創生コンテストに参加させた。結果は、優秀賞を受賞することができた。 以上の成果により、発想支援システムの核とすべき計算アルゴリズムを完成した。また、引き続き数理計画法による最適化の導入も試みている。
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