1 文献調査による窓システムの事例収集 文献調査を中心として、特にダブルスキン、エアフローウィンドウ(AFW)、プッシュプルウィンドウ(PPW)を採用した最近の建築を調査し、建設地、各部寸法、ガラス種類、日除け種類、窓方位などのデータを整理し、実態を把握した。 2 各種窓システムの詳細シミュレーションモデルの作成 既存のシミュレーションモデルを改良し、日射多重反射計算を詳細なものにして、より精度の高いモデルとした。またダブルスキンの計算法を検討し、その日射透過・吸収特性、日射熱取得・排熱特性の計算を可能とした。1層単位の温度計算を行い、多層吹抜けダブルスキンの場合のダブルスキン空気の上下温度分布を求められるようにした。 3 一般窓、AFW、PPWの熱性能値の整備と実用計算法の提案 一般窓の基本的窓性能値として、熱貫流率、基準日射入射角での日射熱取得率およびその対流・長波放射・短波放射成分値を整備した。次に、AFW、PPWの窓通気による性能値の向上を数値計算から求め、一般窓の性能値を補正することによりAFW、PPWの性能値を推定する方法を示した。さらに、整備した性能値を用いる実用的窓熱取得計算法を整理して提示した。 4 ダブルスキンの日射透過・吸収特性、日射熱取得・排熱特性の解析 新たに開発したダブルスキンシミュレーションモデルを使用して、基本的なダブルスキン仕様での数値解析を行った。まず、ダブルスキンの日射透過率、各部吸収率の入射角特性を定量化した。次に、日射熱取得率や自然換気時の日射排熱率が自然換気量や入射角により変化する状況を数値計算し解析した。
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