研究課題/領域番号 |
17560537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山田 由紀子 明治大学, 理工学部, 教授 (10061938)
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研究分担者 |
小久保 隆之 明治大学, 理工学部, 助手 (60409448)
辻村 壮平 明治大学, 理工学部, 助手 (80409458)
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キーワード | 病院環境 / 居住後評価 / 脳波 / ノイジネス / 聴覚刺激 |
研究概要 |
2005年度は、ドイツのミュンヘンにおいて、病院環境の実態調査及び脳波を用いた作業時の音の妨害感に関する実験を実施した。病院環境調査に関しては、(1)音環境の24時間連続測定、(2)起床時刻から消灯時刻までの音環境の調査、(3)特殊な騒音源の個別測定、(4)患者及び看護師に対するアンケート調査を実施した。その結果、等価騒音レベルに大きな差はみられなかったが、ドイツの2病院よりも日本のこれまでの結果の方が変動は大きくなる傾向が多少みられた。また、どちらの国においても、話し声が主な騒音源となっており、さらに、ドイツでは、ドアの開閉方式や発生頻度により、その音も騒音源となっていることがわかった。 脳波測定実験に関しては、Hugo Fastl教授に協力を賜り、ミュンヘン工科大学の音響実験室において、ドイツ人の被験者に種類の異なる聴覚刺激を呈示し、脳波の測定とME法によるノイジネス評価を行った。この結果と日本人の被験者を用いた場合の結果と比較・検討した。その結果、脳波に関しては、(1)ドイツ人と日本人ともに、脳波の周波数帯域ごとの電位の変化量が聴覚刺激によって異なること、(2)聴覚刺激の種類の違いにより日本人とドイツ人でα2波の電位に差異が表れることが明らかになった。α2波の電位の差異に関しては、本実験では自動車交通騒音とホトトギスで顕著に表れた。音源の種類と呈示レベルの違いによってα2波の電位は増加もしくは減少することが示唆された。一方、ノイジネス評価に関しては、(1)ホワイトノイズと自動車交通騒音では、ドイツ人と日本人の間で評価に明確な差がないこと、(2)鳥の鳴声はホワイトノイズや自動車交通騒音と同様に、ドイツ人及び目本人ともにL_<Aeq>が高くなるにつれてノイジネス評価も増加する傾向があり、刺激の呈示レベルが大きくなるにつれてドイツ人と日本人のノイジネス評価の差異は大きくなることが示唆された。
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