研究概要 |
1.研究の目的 今年度では,空調システム内,室内に病原体を放出された場合を想定した実験的な見当を行った。また,BCテロ発生の際の居住者の避難通路を確保ために,空調システムのあり方,とりわけ排煙システムを兼用した空調システムについての検討を行った。また,最終年度の今年度は,3カ年研究を研究成果報告書にまとめた。 2.実施状況と成果 病原体を空調システム内,室内に放出された場合を想定し,その病原体の室内への侵入特性や,室内での発生源と空調の排気口の配置を変化させた場合の室内汚染濃度の分布などに関する研究を行った。 病原体(蛍光粒子で代用)をエアフィルタの上流側(病原体を外気取入れ口に投入した場合を想定)に投入した場合,そのうちの殆どがエアフィルタにより捕集されるか,空調機のファン,ダクトなどの表面に付着した結果,室内に侵入する量が抑えられている。一方,フィルタの下流に放出すると,室内に侵入する量が1桁以上多くなる。バイオテロ対策の視点から,空調機とその外気取入れ口のセキュリティが重要であるが明らかになった。 一方,トレーサーガスSF6と蛍光粒子を用いた室内に発生させた場合の実験の結果,発生源の近傍の吸込み口での濃度が他の箇所より1桁高いことを明らかにし,汚染の対策の視点から,吸込み口数を多く設置する必要があることを指摘した。
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