二つの成果をあげたとともに、平成18年度に継続する調査を着手した。 成果の一つは、子どもの安全と安心に関わる調査研究であり、子ども達が地域で「こわい目にあった場所」と「こわい場所」についてアンケート調査を実施し、その空間特性について分析した。犯罪被害、あるいは犯罪被害に近い経験について、その程度と性質にある程度の幅があること。それが必ずしも不安な場所と一致しておらず、それらのずれに着目して今後の対策を構築する必要があることを明らかにした。 もう一つの成果は、プレーパークづくりを通じた地域空間の活用可能性の検証である。とりわけ初動期においてどのような条件によって活動が展開しえるのかについて実践を通じて検討を行った。2005年度には定例実施されるプレーパークが定着し、次年度以降にその効果等を分析する素地もつくることができた。 着手した研究は、市場を含む地域における子どもの生活実態調査と、居場所遊び場所づくりの社会実験への着手である。これは2005年度末に実施体制が整い2006年度にかけて成果をまとめていく予定である。市場のもつ社会的機能に着目しつつ、子ども達の生活の具体的状況を詳細につかむための戸外行動観察調査、日記形式の行動記録調査を実施した。さらに、それをもとにして、道端での遊び場づくりを企画し、その経緯を分析することによって地域での子どもの生活行為の基盤的条件を改善していこうという実践的調査である。
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