研究課題/領域番号 |
17560566
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研究機関 | 平安女学院大学 |
研究代表者 |
室崎 生子 平安女学院大学, 生活環境学部, 非常勤講師 (90089128)
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研究分担者 |
中林 浩 平安女学院大学, 生活環境学部, 教授 (80180347)
清水 肇 琉球大学, 工学部, 助教授 (40244280)
小伊藤 亜希子 大阪市立大学, 生活科学研究科, 助教授 (90257840)
小野 尋子 琉球大学, 工学部, 助手 (20363658)
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キーワード | 子どもの環境 / 次世代育成 / 地域資源活用 / 地域再生 / 市民参加 / 多世代交流 / コミュニティ計画 / 子育て支援 |
研究概要 |
次世代育成支援事業の実態把握とその課題を明らかにするとともに、市民主体・地域資源活用による都市再生型の次世代育成環境創造の事例について、その効果や課題を整理し、次世代育成の良好都市環境の創造に関して考察することを目的とする。研究方法は沖縄、京都、大阪で子育て活動・保育所・学童保育・地域の安全環境に関するアンケート調査、住民主体の地域資源活用型の次世代育成環境創造の事例についてヒアリングを実施した。 研究結果 保育所では、親子そろった食事の機会は少ない、夜更かしが多く生活リズムのみだれなど、乳幼児は親の生活の負の影響を受けている実態を把握した。また学童保育では大規模化によって、子どもの自由な空間選択困難、遊び集団の固定化、指導員との関係の希薄化など問題がでていることを解明した。これら既存の次世代育成環境は親の労働保障だけでなく親と子どもの生活を豊かにする観点からの創造が課題である。緊急時の子育て支援で重要な役割を果たしているファミリーサポート事業は、地域の実情に応じた独自性の創出、会員の発掘やネットワークづくりなどの志向をもち、地域再生の環境創造の可能性が条件によってはあることも推察できた。働いていない親たちの自主的子育て活動では、親の結びつきが子育て不安を解消し、親子が発達する様子が把握できたが、活動の場には苦労しており、近くで安価な地域資源が提供されるよう地域や行政の支援が課題である。高経年団地では高齢者のふれあいの場づくりや子ども文庫活動では多世代交流型の子育て環境が創出されていた。空き店舗や空き家など地域の荒廃要素を活用した事例では、何気なく立ち寄れる場が出来ることで地域の生活が活性化し、それが安心の子育て支援環境となっている。また子どもによる子どものための活動など住民主体の幅も広がっている。子どもだけでなく多世代が生き生き暮らせる地域実情に対応した、安全もいれた総合的な視点での次世代育成環境整備が求められている。
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