本研究は、これまで平面的な情報に基づいて行われてきた書院造の遺構に関して、断画的な情報や障壁画の画題あるいは室内照度などを用いて再検討を行おうとするもので、平成17年度から平成20年度の4ヶ年で実施する。第2年度にあたる平成18年度の研究実績は以下の通り。 (1)平成18年度調査計画の策定 調査対象を決定し、文化財建造物修理工事報告書等を参照して事前に調査計画を策定した。 (2)調査 調査日及び調査対象は以下の通り(全15棟) 8月28日:正法寺(京都府)大方丈/8月29日:西本願寺(京都市)対面所・白書院・飛雲閣/8月30日:金地院(京都市)方丈、四天王寺(大阪市)本坊方丈/8月31日:岡寺(奈良県)書院、長岳寺(奈良県)庫裏/9月1日:当麻寺(奈良県)奥院・中ノ坊書院、観心寺(大阪府)書院、金剛寺(大阪府)摩尼院書院/2月14日:有楽苑(岐阜県)旧正伝院書院・如庵/2月15日:曼荼羅寺(岐阜県)書院 (3)図面の作成 現地調査の結果を用いて、照度分布状況を示す図面、及び障壁画などの柱間装置の詳細を示す図面、を作成した。成果の公表を見合わせる必要がある場合は、その理由及び差し控え期間等を記入した調書(A4判縦長横書1枚)を添付寸ること。
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