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2005 年度 実績報告書

熱電クラスレート化合物の結晶構造の設計・制御による高性能化

研究課題

研究課題/領域番号 17560618
研究機関山口大学

研究代表者

岸本 堅剛  山口大学, 工学部, 助手 (50234216)

研究分担者 小柳 剛  山口大学, 工学部, 教授 (90178385)
キーワード熱電変換材料 / クラスレート化合物 / 結晶構造 / 移動度 / 有効質量 / 電子構造 / ラトリング効果
研究概要

クラスレート化合物は,内包原子のラトリング効果によって熱伝導率κが格段に低減されるため,その性能指数Z=S^2σ/κ(S:ゼーベック係数;σ:電気伝導率)が大きく,有望な熱電変換材料である。本課題では,さらなる性能向上のために,特に,出力因子S^2σの向上を試みている。出力因子は,有効質量m^*と移動度μを用いて,S^2σ∝m^<*3/2>μと書ける。そこで,結晶構造中の原子の配置や種類を設計・制御することにより,規則的な原子配置でキャリア散乱を減らし移動度μを向上させるか,あるいは,電子構造を変化させ有効質量m^*を増大させることを試みている。
1.アルカリ金属内包クラスレートK_8Ga_8Ge_<38>
内包原子として,通常用いられているアルカリ土類金属の代わりに,アルカリ金属を用いて,電荷補償原子(III族原子)数を組成式あたり16個(Ba_8Ga_<16>Ge_<30>)から8個(K_8Ga_8Ge_<38>)に減らすことにより,移動度μの向上を試みた。おそらく電子構造の変化により,有効質量m^*が5倍程度増加したので,移動度μの向上を得ることはできなかった。しかしながら,この有効質量増大により,室温におけるm^<*3/2>μならびに出力因子S^2σは,K系のほうがBa系よりも大きくなった。
2.混晶系クラスレートSr_<8-x>Ba_xGa_<16>Ge_<30>
その電子構造の制御を念頭におき,高い性能を示す温度領域が異なる二つのSr_8Ga_<16>Ge_<30>とBa_8Ga_<16>Ge_<30>の混晶化を試みた。作製した試料は,X線回折の結果,タイプ1のクラスレート構造を示すことがわかった。その熱電特性は,系統的な変化を示した:すなわち,Ba量xが増えるにつれて,電気伝導率σは減少する傾向が見られ,また,その真性領域での活性化が始まる温度ならびにゼーベック係数Sが最大値を示す温度がより高温側にシフトした。今後,熱電性能の向上のために,組成などを最適化する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Thermoelectric properties of sintered clathrate compounds Sr_8Ga_xGe_<46-x> with various carrier concentrations2006

    • 著者名/発表者名
      Isao Fujita
    • 雑誌名

      Journal of Applied Physics 99・8(印刷中)

  • [雑誌論文] クラスレート化合物Sr_<8-x>Ba_xGa_<16>Ge_<30>の作製と熱電特性2005

    • 著者名/発表者名
      渡辺 光
    • 雑誌名

      第2回日本熱電学会学術講演会論文集

      ページ: 44-45

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] クラスレート化合物I_8Sb_8(Sn,Ge)_<38-x-y>A_xB_y (A=III,B=V)の作製と熱電気的特性2005

    • 著者名/発表者名
      村岡徳章
    • 雑誌名

      第2回日本熱電学会学術講演会論文集

      ページ: 42-43

  • [雑誌論文] クラスレート化合物K_<8-x>Ba_xGa_yGe_<46-y>の作製と熱電特性2005

    • 著者名/発表者名
      阿武正悟
    • 雑誌名

      第2回日本熱電学会学術講演会論文集

      ページ: 46-47

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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