研究課題
基盤研究(C)
強塑性加工による結晶粒微細化と転位密度の増加による加工効果を利用して、商業用純チタンを医療用材料として適用可能な程度の高強度化(降伏応力および引張強さの向上)と最適な加工技術の指針を確立することが本研究の目的である。また現在医療用に多く用いられているTi-6Al-4V合金の構成元素であるAlやVの有害性を回避することが大切で、このため純チタンの高強度化は社会的にも強く望まれている。ECAP加工とその後の鍛造と引抜き加工によって結晶粒微細化を実現し、1GPaを超える強度を実現している。本年度は特に、加工プロセッシング後、および疲労変形後の微細組織をTEM, EBSDとX線解析を通じて評価し、よりよい疲労強度特性を実現するための最適な加工条件、すなわちECAP加工の際のパス回数、パスのルートの種類、そして加工後の焼鈍条件を見出すことを目指した。加工のパス回数が大きい場合は微細組織は加工ルートにほとんど依存しないこと、そして高サイクル疲労および低サイクル疲労特性も、加工ルートにはあまり影響を受けないことが判明した。したがって、もっとも単純な加工ルートA(パスごとに加工材を回転させない)が実用上最も簡便であり、推奨される。加工後の結晶粒径は150-300nm、大傾角粒界の占める割合は65%に達し、これらは加工によって与えられる変形量(相当ひずみ:8-30)および加工後の焼鈍条件を調整することによって達成可能であることを明らかにした。室温、応力比R=-1、応力波形サイン波、周波数10Hzの条件下で、引張-圧縮疲労試験を行った結果10^7サイクルの疲労限は約550MPaに達した。この値は通常の結晶粒の同一材料の250-300MPaに比べて2倍の値である。以上の結果から、ECAP加工後の鍛造加工および引き続いての引抜き加工は、純チタンの引張り強度や疲労強度等の機械的性質の向上に有効であることがわかった。
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