研究概要 |
最適な加工条件である加工率36:1,せん断角度90°,加工速度1mm/s,加工温度293Kにて押出し・ECAP一体型強ひずみ加工したMg-8mass%Li合金の破断伸び1600%にも及ぶ超塑性変形に伴うミクロ組織の変化を調査した。押出しとECAPを別々に行った試料に比べて、押出し・ECAP一体型強ひずみ加工による試料のα,β両相はより等軸状であり、試料全域にわたって微細・均一に分散した。押出し・ECAP一体型強ひずみ加工を施した試料の結晶粒径は0.7μmであり、押出しとECAPを別々に行った試料のそれよりも小さい。動的再結晶粒のアスペクト比は、押出しとECAPを別々に行った試料では1.3であるのに対して、押出し・ECAP一体型強ひずみ加工した試料では1.1とより等軸であった。また、同じ伸び量で比較すると、結晶方位差は押出し・ECAP一体型強ひずみ加工の方が小さい変形量でより高角化し、動的再結晶の進行が速い。押出し・ECAP一体型強ひずみ加工の方が押出しとECAPを別々に行う加工に比べて、製品欠陥となるキャビティーが小さく、またその数も少ないことがわかった。しかも、キャビティーが発生し始める変形量は、押出し・ECAP一体型強ひずみ加工の方が押出しとECAPを別々に行う加工よりも大きく、しかもより大きな超塑性変形能を有している。これらのことから、押出し・ECAP一体型強ひずみ加工プロセスは、マグネシウム合金の超塑性加工の高速・低温・キャビティーレス化に有効なことを実証した。
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