AZ31マグネシウム合金に対して、350℃、400℃、450℃、500℃でのARBプロセスによる強ひずみ加工を行なった。400℃および450℃の場合、ARBは4サイクルまで、500℃の場合は6サイクルまで繰り返した。もっとも優れた機械的性質を示した400℃ARB材に対し、光学顕微鏡およびTEMによる微視組織観察を行なった。ARB材に対して引張り試験を行い、機械的性質を同定した。 400℃および450℃ARBの場合、引張強さは1サイクルで300MPaまで増加し、その後はサイクル数の増加とともに最大330MPaまで緩やかに増加した。500℃ARBの場合、1サイクル後に強度はわずかに増加したのみであった。400℃2サイクルARB材は、引張強度320MPaと全伸び8%を示し、もっとも優れた強度・延性バランスであった。400℃2サイクルARBにより、結晶粒径は出発材の60μmから3μmまで微細化し、その後はサイクル数が増加してもほぼ一定の粒径を保持した。400℃2サイクルARB材のTEM組織は、少量の変形組織と、回復領域および部分再結晶組織が混在していた。本研究において、Mg合金のARBにはじめて成功し、結晶粒超微細化が達成できる事が明らかとなった。
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