I)環境優先型アルミニウム化学研磨法の最適化およびその表面皮膜のナノ構造解析を行った結果、次のようなことが分かった。 1)研磨組成と研磨条件の最適化については、ある程度研磨効果が得ることができる研磨組成と研磨条件を確立することができた。 2)酸性溶液とアルカリ性溶液の研磨機構の相違についてXPSによる分析の結果は、アルカリ研磨皮膜は酸性研磨皮膜より密度が低く、XPSとGDOES、TEM等の結果から皮膜厚さは酸性研磨皮膜(6〜10nm前後)よりアルカリ研磨皮膜(10〜16nm前後)の方が厚くなることがわかった。 3)GDOES、FT-IR、EELSの結果から酸性研磨皮膜はアルカリ研磨皮膜より水酸基が多く存在した。 4)両試料とも研磨皮膜は、Al(OH)_3-Al_2O_3-Al(OH)_3の三層構造であることがわかった。 5)研磨表面に出現する網目状組織はFIBによる深さ方向のSIM像のその場観察、TEMおよび電子線回折の結果から素地の結晶粒とは直接関係がないことがわかった。 II)皮膜のナノ構造と反射光波長特性の関係解明のための測定方法の検討について 1)波長が190〜2500nmの光に対する試料の絶対反射率角度を測定の結果、アルカリ性溶液の研磨面は角度依存が少なく、酸性溶液の研磨面は角度依存が大きく角度が低くなるにつれて反射率は低くなった。 2)拡散反射率はアルカリ性溶液の研磨面は酸性溶液の研磨面より1/2以下の値となった。I)環壕優先型アルミニウム化学研磨法による表面皮膜のナノ構造解析を行った結果、以下のことがわかった。
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