| 研究課題/領域番号 |
17560650
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
長崎 千裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90180471)
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| 研究分担者 |
小関 敏彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70361532)
朝倉 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (10111460)
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| キーワード | 鉄のリサイクル / 鉄スクラップ / 熱間表面割れ / 銅起因表面赤熱脆性 / ボロン添加 |
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| 研究概要 |
鉄のリサイクルを促進するためには鉄スクラップ中に混入する銅が引き起こす熱間加工中での表面割れを抑制することが重要であるので、銅を含む鋼の熱間割れ挙動を調査した。銅を0.5%含む炭素鋼および銅0.3%とスズ0.04%を含有する炭素鋼を用い、大気中とLNG燃焼ガス雰囲気の2種類の酸化条件下において、熱間表面割れの挙動とボロンを微量添加した効果を中心に調べ、以下のことを明らかにした。
鋼にスズが含まれると、無添加のときと比べて熱間表面割れが著しくなっている。また、LNG燃焼ガス雰囲気のほうが、大気中に比べると熱間表面割れが顕著になっている。割れの発生のしやすさは、割れの原因となっている鋼と酸化層界面に生成する銅濃縮相の形態および量と良く対応している。
鋼へのボロン添加は、どの条件においても熱間表面割れを抑制するのに有効である。その抑制効果は、スズ無添加鋼で大気中において最も大きく、スズ添加鋼でLNG燃焼ガス雰囲気において最も小さくなる。
ボロン添加は、高温酸化挙動を全く変化させず、鋼と酸化層界面に生成する銅濃縮相の形態や量にほとんど影響を及ぼさない。ボロンを添加した鋼では、いずれもボロンが鋼粒界に偏析することが確認された。また、銅合金液相の鋼粒界への動的浸入性評価試験により、鋼中あるいは銅液相中のボロン量が増加するとともに、鋼粒界への浸入性が抑制されることが実証された。ボロン添加により表面割れを抑制できるのは、ボロンが鋼粒界に偏析し粒界エネルギーを減少することとボロンが銅濃縮相に溶解し界面エネルギーを上昇させるという2つの効果が働き、銅濃縮相の鋼粒界への浸入を抑制するためであると考えられる。
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