350〜450Kにおいてプロパン、ブタンおよびジメチルエーテルのP-V-T関係を測定し、状態方程式を構築した。さらに新規冷媒としての利用が期待できるジメチルエーテルについては377.59Kにおいては46.36mol%添加した二酸化炭素との混合気体のP-V-T関係を測定し、二酸化炭素-ジメチルエーテル間のvan der Waals 1流体混合則におけるパラメータを最適化した。二酸化炭素、プロパン、ブタンおよびジメチルエーテルについて状態方程式と熱力学的な関係式を駆使して温度、圧力、エントロピー、エンタルピーの相互関係を表すモリ工線図を作成した。また、2成分系混合系の沸点、溶解度、気液平衡関係を測定し、状態方程式の混合則により再現できること、量子計算の概念を取り込んだCOSMO-RS法が有効であることを確認した。また、コンプレッサ潤滑油の選定について、溶解度、密度、動粘度を同時測定可能な振動管密度計およびプロセス粘度計付装置を作製し、デカン、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのモデル物質、市販のポリアルキレングリコール、ポリオレフィン、ポリオールエステル、ナフテン、オレフィン系の合成油および鉱物油に対して測定を行った。その結果、テトラエチレングリコールが二酸化炭素を含む冷媒には適していることを見出した。また、分子量が異なる場合もグループ寄与法が有効であることがわかった。最後に混合気体として8mol%ジメチルエーテルを添加した際のモリエ線図を作成し、322.04K 4MPaから断熱、等温圧縮により377.59K、20MPaに達し、断熱、等温膨張を繰返す仮想的な冷却サイクルの動力計算を行ったところ、二酸化炭素単独に比べて2.10%程度所要動力が小さくなることがわかった。
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