申請者らが発案し、研究を行なってきた「イオン化CVD法」を展開し、これまで気相合成法では実現できなかった(1)粒径10nm以下の非凝集ナノ粒子を合成し、(2)基板上に沈着させ、短時間で高密度ナノ粒子薄膜を製造する技術の開発を目的とした高密度ナノ粒子薄膜合成システムを開発する。 H17年度は、下記2点について検討を行なった。 (1)音速ジェットイオナイザーの改良と評価 イオナイザーのオリフィス電極を改良することにより、イオン発生密度をさらに1桁増加させることに成功した。原料蒸気をイオナイザーによりイオン化し、微分型モビリティアナライザー/ファラデイカップ-電流計システムを用いて測定した。その結果、原料蒸気がイオン化されることを確認した。 (2)高密度非凝集ナノ粒子薄膜合成装置の試作と評価 原料蒸気供給部、音速ジェットイオナイザー、反応管、粒子捕集部より構成される高密度非凝集ナノ粒子薄膜合成装置を試作した。Coナノ粒子を合成するため、(1)の装置でイオン化した原料蒸気を、常温でSi基板上に沈着し、反応炉内で加熱することにより、Si基板上に粒子が沈着することを確認した。得られた粒子をX線回折した結果、粒子はCoの酸化物であることがわかった。
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