研究課題
基盤研究(C)
世界的に地下水の硝酸汚染が深刻で、その対策が急務である。硝酸汚染の原因は、農業地区での過剰施肥や酪農での家畜し尿、さらに一般に生活廃水である。汚染井戸水からの人工乳による乳児のメトヘモグロビン症である。硝酸イオン濃度の許容値50ppmでも発症例がある。このほか糖尿病や癌を起こすと指摘されている。イオン交換法では根本的な除去にならず、逆浸透法ではコストが問題で、生物処理法も操作性や水汚濁など解決しなければならない。固体環境触媒法はこれらに代わる新規技術として期待がある。本研究でCu-Pdクラスター/ACがアルカリ条件でNO_3^-(硝酸イオン)をNO_2^-(亜硝酸イオン)に選択還元(選択性は93%)することを見出した(OH^-の阻害効果による)。一方で、Pd-ゼオライトがNO_2^-を100%N_2Oに変換した。この二つ触媒で二段触媒プロセスとし、これらと、出口N_2OをPd/ACでN2に水素化することを組み合わせて、硝酸イオン高選択的かつ高活性還元(NH_30.6ppm)を実現した。次のステップではよりシンプルな一段法にチャレンジした。中性条件では様々な触媒の中で活性炭担持Pd-Cu合金触媒が活性と選択性(NH_3の抑制)に優れていること、その中で疎水性の高い活性炭が有効であることを示した。さらに、Cu/Pdの比の制御や新規合成したPd-Cuクラスタを調製原料とした活性炭担持Pd-Cuが、NH_3生成を許容濃度(0.5ppm)に抑える事ができ、さらに、長時間(100時間以上)安定に機能できることを見出した。さらに、共存イオン(主に硫酸イオンや塩素イオン)の影響を検討した結果、硫酸イオンは触媒活性に大きな影響を与えず、また塩素イオンの共存による活性低下は少ないことを確認した。このことは、この触媒系が地下水浄化の実用に大きく近づいたことを示す。
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