研究課題
1.超音速多体問題・高性能空力デバイスの提案17年度の研究により、波の干渉を利用しての超音速複葉翼の空力性能改善が成功し、揚抗比の高い複葉翼型を、逆問題設計法により設計することが出来た。今年度はこの翼型に対し、設計巡航マッハ数のみならず広範囲(実際の離陸から着陸までの)マッハ数について計算を行った。マッハ数が0.7付近から、設計マッハ数1.7の直前(マッハ数1.63)の領域で、抵抗が非常に高くなる事が分かった。これは、絞り(スロート)部分を持つノズル、並びに超音速インテークディフューザーでみられるチョーク現象が原因である。この領域での抵抗低減方法の検討を行った結果、前縁をヒンジ型スラットとし後縁をヒンジ型フラップとすることで空力性能改善を行える事が確かめられた。巡航領域では設計形状で飛行し、高抵抗領域でスラットやフラップを動かし断面積の制御を行い抵抗を従来の超音速機程度まで下げる訳である。また、このスラットやフラップは、離着陸時の高揚力装置として機能させる事が出来ることを計算機シミュレーションにより確かめた。・超音速ポテンシャル理論の空力干渉問題への拡張従来、報告者が取り組んで来た、空力評価理論モデル式は、翼単体(単一の揚力面)が流れ場に存在する場合であった。その考え方を拡張し、流れ場に複数の揚力面がある場合のモデル化を行った。物体間相互距離の効果を付加し、更に、モデル式の各項を自己相関部分と他要素からの相関部分に分解して、空力を左右する因子とその影響の関係を明確にする事が出来るようになった。モデル検証のための計算プログラム作成に着手した。2.亜音速多体問題・亜音速における多体問題、例えば、多翼素翼の高揚力装置や箱型翼やタンデム翼の多翼システムの空力モデル化をおこなった。理論面の空力予測は摂動法を用いている。検証は今後数値流体力学(CFD)を用いて行う。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (7件)
日本航空宇宙学会論文誌 55 (636)
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Proceedings of 45^th AIAA Aerospace Sciences Meeting
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日本機械学会論文集 B編 71 (721)
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