1.現有のデトネーション駆動型衝撃波風洞の低圧部を、3095mmから最大8790mmまで延長した結果、ノズル出口における静圧は、同一の高圧部条件において約20%減少したものの、静圧一定と見なせる試験時間が0.7msから2.0msに拡大した。 2.OH消光測定により駆動気体が空気流を汚染する時刻を調べた。その結果、理論的には空気流の持続時間が約5msである条件において、駆動気体に汚染されていない純空気流の持続時間が0.5msであった。これより、駆動気体による汚染は予想以上に早い段階で生ずることがわかった。 3.高圧部にヘリウム、低圧部に水素-酸素量論混合気を充填した衝撃波管において、混合気が自発点火することなく、静圧70kPa、静温600K、マッハ数1.2の可燃性超音速流を生成することができた。 4.可燃性超音速流に対して垂直方向からデトネーションが導入された場合、回折した波面は膨張波により衝撃波面と反応面とが分離し、試験部底面での反射によりデトネーションが再起爆して、上流・下流に伝播することがわかった。 5.上流および下流に伝播するときの見かけ上の速度はCJデトネーション速度から流れの速度分だけ減じた、もしくは増した速度と一致した。 6.上流に伝播するデトネーションが煤膜上に残すセルは、静止状態と比較して伝播方向につぶれた形となり、下流側では逆に引きの伸ばされた形を呈した。これらのセルのアスペクト比は、CJデトネーションの伝播速度、デトネーション波面の横波の伝播速度、可燃性超音速流の速度から計算した値とほぼ一致した。
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