研究課題/領域番号 |
17560704
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 一 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20166622)
|
研究分担者 |
川村 隆文 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (80334324)
前田 正二 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (60219277)
宮永 大 東京大学, 大学院工学系研究科, 技術職員 (00401133)
|
キーワード | マイクロバブル / プロペラ / 摩擦抵抗低減 / CFD / 混相流 |
研究概要 |
市販のソルバーFluentを用いて2次元翼及びプロペラ周りの流れに適用可能な気泡流モデルを開発した。翼周りにおいては気泡に大きな表面力が作用するため、気液間の相対速度が大きくなる。また、気泡に対するカの変化の時間スケールと気泡の応答時間のスケールが同じオーダーになるため、付加質量を考慮に入れた気泡モデルが必要となる。これをモデルとして実装し、各種のテスト計算を経て、2次元翼及びプロペラ周りの気泡流に適用した。翼及びプロペラに性能変化について検討を行った結果、以下のことが示された。 ・本モデルを用いることで気泡流中での2次元翼及びプロペラ性能の低下を一定の精度で推定することが可能である。 ・性能変化の主な原因は翼面圧力分布の変化にあり、特に前縁付近の負圧が小さくなることによって揚力の低下と抗力の増加が生じていることを示した。 ・翼周りの圧力分布により気泡が相対的に大きく加速されることで、液相の加速が小さくなることが、圧力分布の変化の原因である。 今後は気泡流モデルに加えて、摩擦抵抗低減効果をモデル化することによって性能変化を精度よく推定できるようになると考えられる。また、気泡径の影響、スケール影響、翼型への依存性などの検討を行うことが課題として挙げられる。 また、摩擦抵抗低減に有効な空気吹き出し法について実験的に検討し、吹き出し部から僅かな距離をおいて、壁面に平行な板を置くことによって、吹き出し直後に気泡が合体して気膜状になることが防止されることを明らかにした。これにより、摩擦抵抗低減の持続距離が長くなることを実験的に確認した。さらに、壁面と板の間の距離や板の大きさなどについて系統的な実験を行って、それぞれの最適値を得た。
|