研究課題
本研究課題では、非定常な船体動揺データに対して、時変係数自己回帰モデルによる瞬間スペクトル解析の有効性を明らかにするとともに、近年問題となっているパラメトリック横揺れの解析に本手法を適用し、スペクトル構造の時間的変化の解明を試みた。最終年度である平成19年度は具体的には以下の研究を行った。1.理論的検証:追い波中縦揺れ時系列データに現れる歪度の変動を理論的に検証した。波と船体の幾何学的位置関係による非線形復原力変動が原因と考えられることから、一自由度振動系の理論的検証を行うとともに、瞬間バイスペクトル解析法を提案し、歪度の変動がほぼ説明できることを示した。また、パラメトリック横揺れの理論的考察結果と規則波中実験結果を比較し、横揺れパワースペクトルのピークが一致して存在することを示した。また、時変係数自己回帰モデルを用いた瞬間スペクトル解析結果から、パラメトリック横揺れ発生までの過渡的特徴を明らかにした。最後に、トライスペクトル解析を適用し、パラメトリック横揺れの特徴を確認することができた。2.実験的検証:汐路丸実験航海(7月、1月)に参加し、非線形船体動揺データの計測を行った。できる限り詳細な海象データを得るために、海上保安庁第三管区海上保安本部に協力を要請し、野島埼灯台に設置されているレーダ波高観測データを入手することができた。また、別船型による非線形船体動揺データを得るために、東京海洋大学附属研究船「やよい」による動揺計測も開始した。データ解析は現在も継続中であり、近日中に発表する予定である。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Proceedings of the 18th International Offshore and Polar Engineering Conference (ISOPE-2008) (掲載決定)(7月発表予定)
日本船舶海洋工学会講演会論文集 第5E号
ページ: 47-50
Proceedings of the 17th International Offshore and Polar Engineering Conference (ISOPE-2007) Vol.4
ページ: 3807-3812
日本航海学会論文集 第118号
ページ: 177-183