17年度に曲がり管に起因する機械的摩耗の円管減肉発生箇所について、流体解析より複数のエルボが連続する配管系について調べた。その結果、流れの偏りの発生が円管の減肉に関係していると考えられることから、円管の減肉発生箇所が流速の速い箇所か、流れが壁面に衝突する圧力の大きい箇所かのどちらかであることまで推測することができた。18年度は、解析モデルの配管系を実際の配管系に置き換えて粒子(砂)を流して実流実験を行った。機械的摩耗の場合、粒子の衝突する箇所が減肉発生箇所と考えられるからである。実験に用いた曲がり管の曲率半径は、76mm、114mm、342mmの3種類である。流速は1m/sから5m/sの範囲で、実験配管は曲がり管1個から3個の連続配管系である。これらの実験条件を組み合わせて粒子を流して実験を行った。減肉は、円管内壁面に貼ったテープ上の衝突痕を計測して行った。実験の結果、曲がり管に起因する円管の減肉発生箇所は流速の速い曲がり管内側では生じず、流れが衝突する曲がり管外側の圧力の大きい箇所で減肉が発生していることが解った。また、流速が速いと粒子の慣性力も大きくなり減肉が促進されることも解った。一方、曲がり管と曲がり管の問に短管を入れることは減肉の防止に効果があることが解った。今回の実験と解析から、複数の曲がり管の連続する配管系を設計する場合、流体解析により圧力の大きい箇所の発生に注意すれば、機械的摩耗は防げると考える。
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