研究概要 |
いくつかの近接型AEダブレットにおいて,ケプストラムが線ケプストラムにならず,2本の線ケプストラムあるいは幅の広い線ケプストラムになり,P波入力時間差を検出できない問題があった。この問題に対して,第2S波が入力した時刻の以降の信号を0に置き換え,S波の相似性を低下される手法を考案した。さらに,その0に置き換える始める時刻をシフトさせ,ケプストラムのピークの変化を調べる時間-ケフレンシ解析も考案した。 オーストラリア・クーパーベイズンの水圧破砕実験で観測した近接型AEダブレットのケプストラムは,ソルツと勇払の近接型AEダブレットのケプストラムより,入力時間差の線ケプストラムの幅が広い特徴があった。このように線ケプストラムの幅が広いと,入力時間差の精度が低くなる問題があることが判明した。この現象は,AE信号の狭帯域性と数値計算過程に発生する数値誤差の2つが複合して発生することを明らかにした。この問題を解決するために,FFTにより求めた対数パワースペクトルにMUSIC法を使って,ケプストラムを求める手法を考案した。MUSIC法を使うことにより,FFTを使ったケプストラム解析より格段に高い分解能で入力時間差を検出できる可能性を示した。 地下き裂貯留層全体におけるAE源分布と近接型AEダブレットの相対震源座標のベクトルを2つの画面で同時に表示するシステムを開発した。これにより貯留層全体のマクロな性質と近接型AEダブレットの微細な性質を連係して解析できるようになった。
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