研究課題/領域番号 |
17560728
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長崎 百伸 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (20237506)
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研究分担者 |
水内 亨 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (20135619)
小林 進二 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (70346055)
山本 聡 核融合科学研究所, 研究員 (70397529)
岸本 泰明 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10344441)
諌山 明彦 日本原子力研究開発機構, 研究員 (90354597)
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キーワード | 新古典ティアリングモード / 電子サイクロトロン電流駆動 / トカマク |
研究概要 |
ベータ値の高いプラズマを定常的に維持するためには電磁流体力学的(MHD)不安定性を制御することが重要である。特に、新古典テアリング不安定性(Neoclassical Tearing Mode, NTM)はプラズマの到達ベータ値を制限させるので、その安定化が急務となっている。本研究では、JT-60UにおいてNTMの安定化を実験的に行い高ベータプラズマの長時間安定維持を試みた。高β_p ELMy H-modeプラズマにおいて発生したm=3/n=2及びm=2/n=1(mはポロイダルモード数、nはトロイダルモード数)のNTMを安定化する実験及びそのシミュレーションを行っている。間接的に3/2NTMを抑制する手法として、磁気島から外れた位置での電流分布または鋸歯状振動の制御を目的としてプラズマ中心領域にECCDを行い、3/2モードをプラズマ電流の10%程度の中心EC電流で抑制した。3/2モードの周波数は鋸波クラッシュによって変調されており、鋸波振動が3/2モードの時間発展に影響を与えている。鋸波振動と小振幅3/2NTMとの共存の可能性を示唆しており、NTM制御に向けた新しい運転シナリオを与えるものと期待される。磁気島へのECCDにより欠損した電流を補う手法として磁気島領域にECCDを行い、2/1NTMの完全安定化に成功したEC電流密度はブートストラップ電流密度の半分程度で十分であった。完全安定化はECCD位置の有理面からのずれが磁気島の半分程度内であれば完全安定化され、磁気島中心からのずれが磁気島幅程度になると安定化効果が弱まりモード振幅は増大する。また、スラブモデルを用いて磁気島が存在する場合のEC電流分布について評価した。磁気島電流分布は磁気島構造に合わせて、その分布形状が変わる。O-pointでの電流密度は変わらないものの、X-pointでの電流密度は磁気島幅に依存して大きく変化する。ECのパワー吸収分布がピークしたものとなっていてもX-pointでの電流密度は増加せず、この効果は磁気島幅よりと同程度になったときに現れる。磁気島幅が広くなると、電流密度は減少し平坦な分布となる結果が得られた。
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