研究課題
計画書どおり、年度初めに研究室におけるIntel Xeon 2GHzプロセッサーの並列計算機システムに対して演算速度が2倍程度のCPUに差し替えてスタートする予定であったがCPUの仕様変更により既存のマザーボードでは対応不可能とのことでシステム全体を作成し直したため本計算に使用するシステム自体の完成は製品発売時期の遅れもあり年度後半になってしまった。この作業は謝金予算を利用して大学院生のアルバイト等で行った。従って今年度の計算の多くは他の手持ちの計算機を利用することになった。L=1系ヘリカルシステムの磁場構造の解析と粒子輸送に関しては、比較のため従来の磁気座標系コードとは別に3次元補間を取り入れた実座標空間の粒子軌道計算コードを新たに作成した。コイルの周期数や装置全体のアスペクト比の変化による閉じ込め特性の効果を調べた。粒子の閉じ込め判定には精度を要する計算が必要になるためシンプレクティク数値積分法を取り入れるなどの改良に取り組んでいたがほぼ完成した。L=1系は非線形磁気島の幅を小さくするためにヘリカルコイルのトロイダル方向の周期数Nが大きい方がよいが磁気井戸形成のためには、Nが小さい方がよい。これを受けて磁気井戸改善方法を取り入れて低アスペクト比で比較的N(5と8を調べた)が小さい状態で、実効的トーラス曲率の小さいシステムを設計していく方針にした。低アスペクト比装置では粒子閉じ込めの悪化は避けられないがヘリカルコイルのピッチ変調の制御によって6%程度の改善が見られた。この計算結果の理論的な検討は現在行っており来年度に明確な結論を出せるように努力していきたいと考えている。これらの成果の一部は裏面の研究発表の第1論文のとおりヨーロッパプラズマ物理学国際会議で発表した。今年度作成したOpenGLによる図形処理システムや作成した計算機コードは低アスペクト装置に関連した裏面第2〜4論文においても利用された。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
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