研究課題/領域番号 |
17560734
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
室賀 健夫 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 教授 (60174322)
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研究分担者 |
長坂 琢也 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助教授 (40311203)
田中 照也 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助手 (30353444)
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キーワード | ブランケット / 液体リチウム / バナジウム合金 / 絶縁被覆 / 酸化エルビウム / MHD圧力損失 |
研究概要 |
本研究は、核融合炉のブランケットの中でも特に高効率、簡易構造の特徴を持つ液体リチウム・バナジウム合金ブランケットにおける重要な開発課題であるMHD絶縁被覆に関して、複雑な内面への被覆が可能でまた自己修復特性のある酸化エルビウムその場被覆法の基礎機構とその動力炉ブランケットへの適用可能性を明らかにすることを目的とする。本研究では、バナジウム合金表面近傍に予め高温アルゴンガス経由で酸素をドープし、リチウムに少量のエルビウムを混入させることにより、液体リチウム中で構造材バナジウム合金の表面に絶縁性の酸化エルビウムをその場で形成させる手法の検証を行なう。17年度は様々な高温保持条件で酸素をドープし、液体リチウム浸漬中の酸化エルビウム被覆形成速度を各温度で求め、その成長過程を明らかにした。また被覆の電気抵抗を室温から600℃の範囲で測定し、充分な抵抗を有することが明らかになった。これらの成果を受けて、18年度では自己修復性能の実証を行なった。即ち人為的に被覆の一部に欠損を与え、再びEr含有リチウムに浸漬し、欠損部分の組成変化を求めた。その結果基盤が剥き出しになった表面領域でErと酸素が濃化し、抵抗が上昇することが確かめられた。このように自己修復特性についてその可能性を実証することができた。さらに室温と使用温度間の熱サイクルによって被覆に損傷が生じないことが示された。以上2年間のまとめとして、液体リチウム・バナジウム合金ブランケットの酸化エルビウムを用いたその場被覆の生成成長の原理とその特性を求めるとともに自己修復性の可能性を実証した。この成果は高機能核融合ブランケットの実現に見通しを与えるものである。
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