研究課題
本年度では、本研究課題に関連する以下の研究成果を得た。1.非共鳴圧力駆動型不安定性の非線型数値解析昨年度までに開発した圧力上昇効果を含むマルチスケール非線型解析手法を用いて、核融合科学研究所のLHD装置の実験で得られている結果の解析を行った。LHD実験では、中心付近において非共鳴のモード数を持つ巨視的な揺動が観測されている。そこで、まず線型解析を行い、この非共鳴モードの発現メカニズムを明らかにした。この知見を基に、マルチスケール手法を用いて非線型時間発展を追跡し、圧力上昇時において、この非共鳴モードが鋸歯状振動を起こしうることを示し、実験で得られた揺動がこの非共鳴モードによることを明らかにした。2.圧力輸送方程式を組み込んだ圧力上昇マルチスケール解析手法の開発昨年度までに開発した、圧力上昇効果を含むマルチスケール解析手法を改良して、連続加熱と背景平均圧力の散逸効果を取り入れられるようにした。この結果、圧力発展方程式の各成分のうち、平均圧力に対する方程式は、これらの効果を含む輸送方程式となり、電磁流体力学的な枠組みの中に、輸送現象の効果を取り込むことができるようになった。3.圧力駆動型モードによるゾーナルフロー解析。圧力駆動型モードによる自発的ゾーナルフローの解析には、全角運動量の保存精度が重要である。昨年度、境界条件を改良することによって、数値誤差を小さくしたが、その後、L.Garciaによるコードとのベンチマークを行う機会があり、まだ、誤差が大きいことが判明した。数値計算コードを精密に調べて改良を重ねた結果、上記コードと同程度の誤差に収まるようになった。今後、このコードを用いることによって、ゾーナルフローの解析を進めることが可能となった。
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Journal of Plasma and Fusion Research SERIES (掲載確定)
Plasma and Fusion Research 3
ページ: S1033-1,S1033-7
Abstracts of 35^<th> EPS Conference on Plasma Phys. Hersonissos, 9-13 June 2008 ECA Vol. 32D
ページ: 2. 053