研究課題/領域番号 |
17560745
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
卞 哲浩 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (50362413)
|
研究分担者 |
三澤 毅 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70219616)
宇根崎 博信 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (40213467)
代谷 誠治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80027474)
|
キーワード | 加速器駆動 / 未臨界炉心 / KUCA実験 / 中性子特性 / 放射化箔 |
研究概要 |
京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)において実施された加速器駆動未臨界炉(ADSR)の基礎実験を行い以下のような結論を得ることができた。1.ポリエチレン反射体領域にコリメータおよびビームダクト導入することによって、それらの効果と妥当性をインジウムによる反応率分布測定から実験的に確認することができた。2.放射化箔法による中性子スペクトル測定を行った結果。アンフォールディング法によってスペクトルの概要を把握することができたが計算精度が不十分であるため、今後は放射化箔による反応率の比較によって計算精度の検討を行う必要がある。3.MCNP-4C3による固有値計算による反応度解析と固定源問題によるインジウムによる反応率分布の解析はいずれも、実験の誤差内でよく一致しておりMCNP-4C3によって十分な計算精度でADSRの静特性解析が可能であることがわかった。また、JENDL-3.3とENDF/B-VI.2による結果には若干の差異はあるものの、ADSR基礎実験における解析では、実験に対するほぼ同等の精度で解析が可能であると考えられる。今後の課題として以下のようなことを述べることができる。1.FFAG加速器の導入に伴い、プロトンのエネルギーが20〜150MeVでの反応度および反応率分布の静特性解析に加えて動特性解析をMCNPXを用いて行い、ADSR炉心の最適化設計を行う予定である。2.FFAG加速器の導入において、ターゲット付近での中性子の発生を正確に把握するために、20MeV以上の高エネルギー領域における中性子スペクトルの測定手法を確立する必要があると考えられる。
|