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2005 年度 実績報告書

シロアリ類の遺伝子型がカスト分化に及ぼす効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17570013
研究機関茨城大学

研究代表者

北出 理  茨城大学, 理学部, 助教授 (80302321)

研究分担者 小島 純一  茨城大学, 理学部, 教授 (00192576)
キーワードシロアリ / カスト決定機構 / 遺伝子 / 単為生殖
研究概要

1.シロアリ類の単為生殖能の検査
カンモンシロアリ、ミヤタケシロアリ、アマミシロアリ、ネバダオオシロアリの4種について、有翅繁殖虫を用いて雌だけによるコロニー創設を行わせた。これらの4種は雌だけでも産卵は行うものの、それらの卵はごくわずかな例外を除いて孵化せず、単為生殖能を持たなかった。またヤマトシロアリでは採集地域によらず単為生殖能をもち、単為生殖で生まれる仔虫のカスト比が同様な傾向を示すことが明らかになった。
2.カンモンシロアリの交配実験
山口県に分布するカンモンシロアリを用いて、雌雄の別と、ワーカー型・ニンフ型の補充生殖虫の型について4通りの組み合わせによる交配実験を行い、生まれた卵を雄ワーカーに育てさせて分化するカストをみる実験を行った。その結果、各実験区ともヤマトシロアリと同様に、異なるカスト・性の比率が仔虫で実現された。これはシロアリのニンフ・ワーカーのカスト分化の基本的な部分が遺伝的に決定されていることを強く示唆する結果である。またヤマトシロアリで想定される遺伝モデルがカンモンシロアリでもそのまま適用可能であることが示され、ヤマトシロアリ属において基本的カスト決定に同一の機構が働いていることが示唆された。
3.カストとリンクした遺伝マーカーの開発
カストの異なるヤマトシロアリからDNAを抽出し、AFLPの条件設定を行い、個体間でのバンドの多型を検出した。今後プライマーセットを増やし、カストの相違とリンクするマーカーの検出を試みる。また、性染色体の分離を目的として、パルスフィールドゲル電気泳動の条件設定に着手した。
4.野外におけるコロニー構造とカスト比
茨城県東海村において、ヤマトシロアリの野外コロニーの遺伝構造の調査を行い、コロニー範囲を推定した。この結果にもとづいてコロニーごとに野外で実現されているカスト比を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Diverse colony genetic structure in the Japanese subterranean termite Reticulitermes speratus(Isoptera : Rhinotermitidae).2005

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Y, Kitade O, Gonda M, Kondo T, Miyata H, Urayama K
    • 雑誌名

      Sociobiology vol.46

      ページ: 175-184

  • [雑誌論文] オオシロアリ科.2005

    • 著者名/発表者名
      北出 理
    • 雑誌名

      昆虫と自然 40巻

      ページ: 25-28

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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