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2006 年度 実績報告書

海水ウナギの飲水行動調節機構の総合的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17570061
研究機関広島大学

研究代表者

安藤 正昭  広島大学, 大学院総合科学研究科, 教授 (10100976)

キーワード上部食道括約筋(UES) / 舌咽・迷走運動核(GVC) / 迷走神経葉(LX) / カテコールアミン / GABA / イソトシン / 飲水調節 / 胃・食道反射
研究概要

ウナギの飲水行動は嚥下からなり、嚥下は上部食道括約筋(UES)の収縮と弛緩によって調節されている。UESを支配している神経は延髄のGlossopharyngeal-Vagal motor complex(GVC)から出て、アセチルコリン(ACh)を伝達物質として用いている(Mukuda & Ando,2003)。AChはUESのニコチン性受容体に作用し、これを収縮させる(Kozaka & Ando,2003)。摘出したウナギの脳のGVCは自発的に発火しており、カテコールアミンによって抑えられる(Ito et al.,2006)。GVCの活動を抑える上位の脳部位としてVagallobe(LX)が考えられる。LXを電気刺激するとGVCの神経活動は抑えられる。しかしこの抑制はカテコールアミン受容体のAntagonistsでは抑えられず、GABAやATP受容体のAntagonistで抑えられた(準備中)。
UES標本にはバソトシンとイソトシンの受容体が存在し、前者はUESを収縮させ、後者は弛緩させた。イソトシンの弛緩作用はcAMPを介すると考えられる(Watanabe et al.,2007)。イソトシンの受容体は筋細胞と神経終末の両方に存在し、筋細胞では弛緩を惹起し、神経終末では伝達物質(ACh)の放出を促進し、収縮を増強させた。いずれの作用も細胞内cAMPの上昇によると考えられる(Sakihara et al.,2007)。
ウナギの胃を膨らませると飲水が抑えられるが、胃から食道に向かって走る1本の神経は、胃に注入した水量に依存して発火頻度を高めた。この神経を中枢側にトレースして行くと、鰓裏のX5と名づけた神経枝と合流していた。X5はUESを強く収縮させるコリナージックな運動神経も含んでいるので、ウナギの胃・食道反射はX5によって行われていると考えられる(準備中)。
一方血中で生じた飲水調節因子は間脳のMagnocellular preoptic nucleusやAnterior tuberal nucleusに作用することが考えられる。これらの核の神経活動はアンギオテンシンや心房性ナトリウム利尿ペプチドに反応し、高濃度のNaClにも反応した(準備中)。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Catecholamines inhigit neuronal activity in the glossopharyngeal-vagal motor complex of the Japanese eel : significance for controlling swallowing water2006

    • 著者名/発表者名
      Ito, S., Mukuda, T., Ando, M.
    • 雑誌名

      J. Exp. Zool. 305A

      ページ: 499-506

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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