研究課題
基盤研究(C)
ナイルティラピア赤色素胞では400・600nmの波長光で色素顆粒凝集が、500nm光で拡散が誘起されるが、光を受容する視物質として、網膜視細胞にあるのと同じ錐体赤、錐体緑、錐体青のmRNAが発現していた。ネオンテトラの虹色素胞は500nm付近の光に対して最もよく反応するが、虹色素胞に発現する遺伝子は3種で、1種はロドプシン、Pi-RH1、他の2種はblind Mexican cavefishの特異な錐体緑(g101・g103)と高い相同性を示すPi-green1、Pi-green-2であった。他の魚種の錐体緑がRH2(ロドプシンに近い錐体視物質)に属するのに対して、g101、g103、Pi-green1、Pi-green-2はヒトの緑と同様、錐体赤のグループに属する視物質であり、ネオンテトラの緑視物質は分子進化的に極めて興味深いものであることがわかった。Pi-green1、Pi-green-2は目にも発現している。目に存在する錐体赤は、虹色素胞には発現していなかった。緑オプシンに対する抗体を用いて、ネオンテトラ皮膚におけるオプシンの発現を免疫組織化学的に調べたところ、真皮に存在する虹色素胞層にのみ発現が認められた。ロドプシン抗体でも弱いシグナルが虹色素胞層に認められた。光感受性虹色素胞を多く含む皮膚部位からタンパク質を抽出、オプシン抗体を用いてwestern blottingを行い、オプシンの存在を確認した。細胞内情報伝達に関係する各種酵素の阻害剤や活性剤を用いて検討した結果、光感受性色素胞での光情報伝達に関与するのはcAMPであり、その減少が光に対する反応を誘起していることが示された。また、細菌毒素処理によりGiαが関与することが示唆された。遺伝子レベルでも、色素胞におけるGiのmRNA発現が確認されたが、完全なGtの発現は認められなかった。
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