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2005 年度 実績報告書

維管束植物の葉の比較進化発生学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17570072
研究機関千葉大学

研究代表者

上原 浩一  千葉大学, 園芸学部, 助手 (20221799)

研究分担者 伊藤 元己  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00193524)
キーワード複葉 / 単葉 / 形態形成 / KNOX / PHANTASTICA / Real-Time PCR / LEAFY / 遺伝的制御
研究概要

維管束植物の栄養器官である葉は、植物種によって様々な形態を持ち、特に葉身の形によって、大きく「単葉」と「複葉」の2タイプに分けられるがその遺伝的制御や進化については不明な点が多い。近年、分子遺伝学の発展に伴い、複葉の形態の遺伝的制御についてエンドウではLEAFY相同遺伝子、トマトではPHANTASTICA相同遺伝子およびKNOX遺伝子の関与が報告され、被子植物の複葉形成に2つの異なる制御系が存在することが明らかとなった。
本研究では、維管束植物における葉の大進化を明らかにするため、羽状複葉で知られるシダ植物と原始的被子植物の複葉がどのような制御系で形成されているか解析を進めている。シダ植物からは同属で典型的な羽状複葉を持つシケシダと単葉のヘラシダを、原始的被子植物では複葉的形態の沈水葉と単葉の水上葉を持つスイレン科のハゴロモモを材料に用いた。本研究は上記の植物種から葉の形態形成を制御する遺伝子を単離、葉の形成過程における各遺伝子の発現解析を行い、2タイプの葉の形態の違いに葉の形態形成制御遺伝子がどのように関わるか明らかにすることを目的とした。
現在ハゴロモモとシダ植物の両方からKNOX遺伝子、LFY相同遺伝子、PHAN相同遺伝子の全てを単離した。ハゴロモモについてReal-Time PCR法により花芽、複葉、単葉、茎、根の各器官で上記の葉の形態形成制御遺伝子の発現解析を行ったところ有意な差が見られた。特にKNOX遺伝子は複葉でかなりの発現を示したのに対し、単葉では発現がほとんど見られず、PHAN相同遺伝子も複葉の方が単葉に比べて発現量が多かった。LFY相同遺伝子は発現量に大きな差は見られなかった。この結果からハゴロモモの2タイプの葉の形態の違いに、KNOX遺伝子が大きく関与していることが示唆され、KNOX遺伝子の機能により沈水葉が複葉的形態を示すのではないかと考えられた。また、PHAN相同遺伝子も同様に関与しているのではないかと考えられ、ハゴロモモの複葉の形態形成はトマト型の制御機構を持つことが示された。今後はシダ植物においてReal-Time PCRによる発現解析を行うとともにin situ hybridization法による組織レベルでの発現解析を進め維管束植物における複葉の大進化を明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization, occurrance and cloning of a lectin from Grifola frondosa : jacalin-related lectin of fungal origin.2005

    • 著者名/発表者名
      Nagata Y., Yamashita M., Honda H., Akabane J., Uehara K., Saito A., Sumisa F., Nishihori K., odaira Y
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 69

      ページ: 351-358

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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