研究課題/領域番号 |
17570076
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
熊澤 慶伯 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (60221941)
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研究分担者 |
長谷川 政美 情報システム研究機構, 統計数理研究所, 教授 (60011657)
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キーワード | トカゲ亜目 / イグアナ下目 / ヤモリ下目 / ミトコンドリアゲノム / 分子系統解析 / 分岐年代 / 大陸移動 / 生物地理 |
研究概要 |
トカゲ亜目を構成する主要な科より代表種を選んでミトコンドリアDNA全塩基配列の解読を行った。分子系統解析によって信頼できる系統関係を構築するとともに、分子時計を仮定しないベイズ法を用いて分岐年代の推定を行った。その結果に、地質学的情報と古生物学的情報を加味して、トカゲ類の系統分岐と中生代の大陸移動の関係について考察を行った。本研究課題では特にイグアナ下目(アガマ科・カメレオン科・イグアナ科)とヤモリ下目(ヤモリ科、トカゲモドキ科、イシヤモリ科、ヒレアシトカゲ科)を中心にミトコンドリアDNA全塩基配列のデータを充実させることができた。主な生物地理学的成果としては、1)トカゲ類の主要な科間の分岐は白亜紀の大規模な大陸分離の以前にさかのぼる、2)しかしアガマ科とカメレオン科の分岐だけは約1億年前のゴンドワナ大陸で起き、その後アガマ科はインド亜大陸などに乗ってユーラシアに分散した可能性がある、3)ヤモリ下目の中ではオーストラリアに生息するイシヤモリ類・ヒレアシトカゲ類が最も初期に分岐し、ヤモリ科とトカゲモドキ科の分岐はパンゲア超大陸のローラシア大陸とゴンドワナ大陸への分裂に伴い分断的に起きたと考えられる。これらの研究を行う過程で、Draconinae亜科アガマ類のミトコンドリアゲノムの遺伝子配置に、脊椎動物としては初めてとなる遺伝子(本件ではプロリンtRNA遺伝子)の逆位を発見し、その分子進化機構として相同的DNA組換えを提唱した。
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