研究課題/領域番号 |
17570083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
横田 昌嗣 琉球大学, 理学部, 教授 (90166885)
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研究分担者 |
傳田 哲郎 琉球大学, 理学部, 助教授 (50284948)
松村 俊一 琉球大学, 理工学研究科, 研究員 (70398311)
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キーワード | 琉球列島 / 隔離分布 / ヨナクニトキホコリ / ヨナグニノシラン / ソテツ / ハマボッス / トゲイボタ / ヒメスイカズラ |
研究概要 |
琉球列島を中心として隔離分布する植物から数種を選んで、材料を収集し、系統地理学的研究を行うための予備的な観察を行った。 琉球列島および台湾産のハマボッス(サクラソウ科)は、海岸に生えるため海流により容易に分散するものと推定されていたが、与那国島などの小島嶼内でも自生地ごとに核型の著しい分化を生じていることが明らかになった。今後は、琉球列島の各地から広域に材料を収集して、系統地理学的な解析を進める必要がある。 琉球列島および九州南部に固有で、隔離分布する遺存種のソテツ(ソテツ科)には、種子の形態に変異があることが判ったが、個体内では形態は安定しているものの、同一集団内でも個体間で連続的な変異が認められることから、種子の形態に基づいて分類群を認めることは困難であることが判った。 東アジアの亜熱帯域に隔離分布するヨナグニノシラン(ユリ科)の核型を調べたところ、与那国島と台湾のものは同一の核型を示し、その一方でヨナグニノシランは近縁なノシランとは異なる核型を持つことが明らかになった。今後は、分子系統地理学的な解析を進める必要がある。 琉球列島の少数の島嶼に隔離分布するヨナクニトキホコリ(イラクサ科)、トゲイボタ(モクセイ科)、ヒメスイカズラ(スイカズラ科)の採集を行い、外部形態と核型の観察を行った。その結果、島嶼間で多少の分化が認められることが判った。今後、分子系統地理学的な解析を進め、琉球列島におけるこれらの種の進入と分化の過程を明らかにしたい。
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