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2005 年度 実績報告書

ヘパラン硫酸・ヘパリンの6-硫酸化パターンによる生物学的・生理的機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17570099
研究機関愛知医科大学

研究代表者

羽渕 弘子  愛知医科大学, 分子医科学研究所, 講師 (90329821)

キーワードプロテオグリカン / ヘパラン硫酸 / ヘパリン / ヘパラン硫酸-6-硫酸転移酵 / 細胞増殖因子 / ノックアウトマウス / 肥満細胞 / 細胞外マトリックス
研究概要

1 ヘパラン硫酸によるヘパリン結合性増殖因子(HB-GF)シグナリングの制御
VEGFは重要な血管新生因子であり、ヘパリン結合型のアイソフォームが存在する。私たちはこれまでにこの結合にはヘパラン硫酸の6-硫酸も2-硫酸残基も必要であることを報告した(2004,J.Biol.Chem.)。さらにVEGF165による管控形成、シグナル伝達活性をヘパラン硫酸が促進すること、その活性に6-硫酸残基が必要であることを明らかにした(2005,J.Biol.Chem.)。実際に、HS6ST1ノックアウトマウスの胎盤迷路層では血管形成異常が観察されるので、このようなシグナリング制御がin vivoで作用する器官があることを強く示唆した。
HS6ST1とHS6ST2のダブルノックアウトマウスから得られる線維芽細胞はHSヘパラン硫酸の6-硫酸残基をほとんど(野生型の5%以下)合成できなかった。これらの細胞を用いてHB-GFのシグナリングにおける6-硫酸化の影響を調べ、次年度に報告したい。
2 ヘパリンの6-硫酸化機構
マスト細胞の顆粒内にあるタンパクはヘパリンと結合して保存され、IgEの刺激によって脱顆粒を引き起こし、細胞外に分泌される。従って、ヘパリンの生合成経路を解析するのは重要である。ヘパラン硫酸の6硫酸化酵素(HS6ST)は3つのアイソフォームが存在するが、ヘパリンの6-硫酸化がどのアイソフォームによって合成されるかはわかっていなかった。我々は結合識型マスト細胞が多く存在する耳を材料にヘパラン硫酸、ヘパリンの構造を解析した。その結果、HS6ST1ノックアウトマウスのヘパリン構造、含量は野生型マウスと同じであった。HS6ST2ノックアウトマウスでは典型的なヘパリン構造はほとんど合成されず、6-硫酸化構造が半減していた。これらからHS6ST2は少なくともヘパリンの6-硫酸化活性を持つことが明らかになった。しかし、HS6ST2ノックアウトマウスではまだ50%近くのヘパリン6-硫酸残基があるので、これが3つ目のアイソフォームHS6ST3によるのか、あるいは他のアイソフォームの代償によるかどうか今後明らかにすべき課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Versican/PG-M Regulates Chondrogenesis as an Extracellular Matrix Molecule Crucial for Mesenchymal Condensation.2006

    • 著者名/発表者名
      Kamiya N, Habuchi H, Kimata K et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 281

      ページ: 2390-2400

  • [雑誌論文] Heparin regulates vascular endothelial growth factor165-dependent mitogenic activity, tube formation, and its receptor phosphorylation of human endothelial cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Ashikari-Hade S, Habuchi H, Kimata K
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 280

      ページ: 31508-31515

  • [図書] 遺伝子医学MOOK3 糖鎖と病気 第1章 糖鎖の細胞生物学 4)グリコサミノグリカンの硫酸化と疾患.2005

    • 著者名/発表者名
      羽渕脩躬, 羽渕弘子, 木全弘治.
    • 総ページ数
      123-129
    • 出版者
      メディドウ
  • [図書] 未来を拓く糖鎖科学 9.6 形態形成におけるヘパラン硫酸プロテオグリカンの機能.2005

    • 著者名/発表者名
      羽渕弘子, 木全弘治
    • 総ページ数
      339-342
    • 出版者
      金芳堂

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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