研究課題
1.GCP60のゴルジ体局在化ドメインの決定。GCP60がゴルジ体に局在するためにはC末端側半分(アミノ酸残基373-528番目)の配列が必須であることを明らかにした。さらに、局在化に必須な配列を変異導入、欠失変異コンストラクトを作成してHeLa細胞に導入・発現実験によって解析した結果、上記アミノ酸配列のN末端側10残基およびC末端側から10残基を欠失させた変異体は、ゴルジ体への局在を示さなかった。したがって、本タンパク質のゴルジ体への局在は、両末端10残基のうちの特定残基、または両者が構成する立体構造によって決定されることが強く示唆された。2.GCP60のアシルCoA結合ドメインの生理的活性の解析。GCP60のN末端側(104-164)にはいわゆるacyl-CoA結合ドメインとしての特徴をもつアミノ酸配列が存在する。従来、palmitoyl-CoAを含むacyl-CoAが小胞体-ゴルジ体間の小胞輸送ならびにゴルジ体の重層構造の形成に要求されることが報告されているが、そのターゲットは不明のままである。そこで、GCP60が実際にacyl-CoA結合活性を持つか否かについて検討した。Acyl-CoA結合ドメイン(アミノ酸配列104-164)を含むN末端領域(1-174)にglutathione S-transferase(GST)を付けた融合タンパク質を大腸菌系で産生させ、GST-Sepharoseカラムで精製した。精製標品を、デンマークのKnudsen教授の研究室で最近開発された蛍光センサーを用いる高感度測定法でacyl-CoA結合活性を測定してもらった。いろいろ条件を変えて検討してもらったが、本タンパク質にはacyl-CoA結合活性を検出することができなかった。3.GCP16のアシル化とゴルジ体局在化への意義。GCP16は膜貫通領域に相当する疎水性アミノ酸配列を持たないにも拘わらずゴルジ膜に強固に結合している。膜への結合様式を検討した結果、システイン(69および72番目)がパルミチン酸によってアシル化されていることがわかった。これらのアミノ酸をアラニンに置換した変異体はゴルジ体に局在しなかった。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
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