研究課題
基盤研究(C)
1.GCP60の構造的・機能的特徴の解析。GCP60はGiantinと特異的に結合するタンパク質として同定された。各種変異体の導入・発現実験によって解析した結果、GCP60がゴルジ体に局在するためには、C末端10残基(特にTyr^<521>およびTyr^<522>)が必須であり、さらにN末端側の10残基(特にPhe^<93>とPhe^<94>)は小胞体からの出ロシグナルとして機能することがわかった。GCP60はN末端側(104-164)にAcyl-CoA結合ドメインの特徴を持つ配列をもつ。Acyl-CoAは小胞体-ゴルジ体間の小胞輸送ならびにゴルジ体の重層構造の形成に要求されることが報告されているが、そのターゲットは不明のままである。そこでGCP60のAcyl-CoA結合活性を各種実験によって解析したが、その活性を検出することは出来なかった。2.GCP16およびGCP170の構造的・機能的特徴の解析。GCP170はgolgin familyの一員であり、GCP16はGCP170と特異的に結合するタンパク質として同定され,ゴルジ体に局在する。GCP16は膜貫通領域を持たないにも拘わらずゴルジ膜に強固に結合している。膜への結合様式を検討した結果、Cys^<69>およびCys^<72>がパルミチン酸でアシル化されていることがわかった。これらのアミノ酸をアラニンに置換した変異体はゴルジ体に局在しなかった。さらに、GCP16はH-/N-rasに特異的なacyl-transferaseのサブユニットであることがわかった。一方、セミインタクト細胞にするとGCP170がゴルジ膜から急速に遊離し、ゴルジ重層構造が管状なり分散化する。GCP170の添加はゴルジ体の構造を正常化することから、GCP170はゴルジ体の形態維持に重要な役割をはたしていることが示唆される。3.p115とCOG複合体の相互作用によるゴルジ体構造形成への役割。COPI小胞の繋留因子であるp115は,酵母のUsolpと極めて相同性の高い領域(HR2)をもつ。我々は酵母のtwo-hybridスクリーニング法により、HR2と特異的に結合するタンパク質としてCog-2を同定した。Cog-2は小胞体-ゴルジ体間の小胞輸送に機能するCOG (Conserved Oligomeric Golgi)複合体の一員である。p115の発現をsiRNAでノックダウンすると、ゴルジ体は断片化・分散化した。この状態の細胞にwild-type p115を発現させるとゴルジ体は正常構造を回復するが、HR2欠失型p115を発現するとゴルジ体は不定形な構造しか形成せず分泌タンパク質の細胞表面への輸送も阻害された。これらの結果は、p115はCOG複合体と相互作用することによってゴルジ体の構造形成に重要な役割を果たしていることを示唆する。
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