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2006 年度 実績報告書

Na+輸送性V-ATPaseのイオン共役サブユニット間相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17570117
研究機関愛媛大学

研究代表者

柿沼 喜己  愛媛大学, 農学部, 教授 (80134394)

キーワードV-ATPase / ナトリウム / イオン / 腸球菌
研究概要

腸内連鎖球菌Enterococcus hiraeのV-ATPaseは、H^+ではなくNa^+及びLi^+を特異的に輸送する。本酵素は9種類のサブユニットから構成され、イオン輸送に直接関わる膜部分V_0は、イオン結合ローターであるNtpK、イオン輸送通路の形成に関わるNtpIサブユニットから構成されていることが示されているが、他のサブユニットについては相互関係など明確ではない。
イオン輸送性回転モーター機構を理解するためには、V-ATPaseの全複合体におけるV_0部分の構造上の位置づけを明らかにする必要があるが、現在までのところ本酵素全複合体の結晶化には成功していない。9種類のサブユニットから構成されるV-ATPase複合体の全体像を把握するために、9個の各サブユニット遺伝子の欠失株より細胞膜画分を調製し、界面活性剤による可溶化後、グリセロール密度勾配遠心を行って、V_0V_1複合体の形成について調べた。その結果、帰属が不明であったF, Gサブユニットを含めてA, B, C, D, E, F, GサブユニットがV_1部分を構成し、I, KサブユニットがV_0部分を構成することがわかった。この解析の過程でBサブユニットを欠失していても、少なくともA, C, D, I, Kサブユニットから構成される複合体が形成されることがわかり、Aサブユニットが固定子の構築に関わることと考えられた。V_0部分を含めた本酵素のサブユニット構造の全体像を知る上で、特定サブユニットの欠失複合体の分子形態の解析を進めることが有用なアプローチの一つになると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 腸球菌V-ATPアーゼ回転リングの構造解明と創薬への可能性2006

    • 著者名/発表者名
      柿沼喜己
    • 雑誌名

      バイオサイエンスとインダストリー 64

      ページ: 88-91

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Deletion analysis of the subunit gene of V-type Na^+-ATPase from Enterococcus hirae2006

    • 著者名/発表者名
      T.Hosaka, K.Takase, T.Murata, Y.Kakinuma, I.Yamato
    • 雑誌名

      J. Biochem (Tokyo) 139

      ページ: 1045-1052

  • [雑誌論文] V型Na^+-ATPaseの膜内在性ローターリングの構造 : 結晶構造から見えてきた回転モーターのイオン透過機構2006

    • 著者名/発表者名
      村田武士, 山登一郎, 柿沼喜己
    • 雑誌名

      生物物理 46

      ページ: 336-340

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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