研究課題/領域番号 |
17570126
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
小亀 浩市 国立循環器病センター(研究所), 脈管生理部, 室長 (40270730)
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研究分担者 |
坂野 史明 国立循環器病センター(研究所), 脈管生理部, 室員 (00373514)
宮田 敏行 国立循環器病センター(研究所), 病因部, 部長 (90183970)
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キーワード | フォンビルブランド因子 / ADAMTS13 / プロテアーゼ / 酵素 / 血液 / 血小板 / 血栓性血小板減少性紫斑病 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
ADAMTS13は、フォンビルブランド因子(VWF)を切断することでVWFの血小板凝集能を調節する酵素である。ADAMTS13活性の欠損は血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の原因となる。本研究の目的は、ADAMTS13の生理学的・生化学的解析を通して、臨床医学的にも有用な成果を生み出すことである。【ADAMTS13欠損マウスの表現型解析】TTPの特徴は血小板減少と溶血性貧血であるが、我々が作製したADAMTS13欠損マウスでは血小板数や血液像などに異常は見られず、TTPを発症しなかった。しかし、血中VWF量および凝固第VIII因子活性の微増、高ずり応力下血栓形成の亢進、コラーゲン投与による血小板減少の亢進など、VWFの高度重合が原因と考えられる現象は確認できた。っまり、ADAMTS13欠損はTTP発症の十分条件でないことが示唆された。【C末端欠失マウスの作製】我々は、ヒトADAMTS13と同一のドメイン構造からなるADAMTS13をもつマウス系統(129/Sv)と、C末端領域を欠失したADAMTS13をもつ系統(C57BL/6など)を見出した。本年度、これらを数世代交配させ、C末端欠失体をもつ129/Sv系統マウスを作製した。次年度、野生型あるいはADAMTS13欠損マウスと比較し、C末端領域の生理的役割を検討する。【酵素化学的解析】我々が開発した消光性蛍光基質を利用してADAMTS13の酵素化学的性質を調べ、金属イオンの重要性を明らかにした。また、種々の反応速度パラメータを決定した。【活性調節因子の探索】ADAMTS13の酵素活性を調節する因子を探索するため、ADAMTS13のドメイン構造を利用した酵母2-ハイブリッドシステムを行った。複数種の候補因子が捕捉されたので、次年度、それらのADAMTS13への会合および活性に対する影響などを解析する。
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