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2006 年度 実績報告書

コフィリンによるアクチン骨格ダイナミクスの制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17570152
研究機関東北大学

研究代表者

大橋 一正  東北大学, 大学院生命科学研究科, 助教授 (10312539)

キーワードアクチン骨格 / コフィリン / LIMキナーゼ / Slingshot / GFP / リン酸化 / 阻害剤
研究概要

アクチン線維の切断・脱重合因子であるコフィリンは、アクチン骨格の再構築を司る最も重要な制御因子の一つであり、LIMキナーゼとSlingshotによるリン酸化・脱リン酸化によってアクチンとの結合が制御されている。私たちは、これまでに、LIMキナーゼとSlingshotが細胞運動、極性形成、神経突起伸展・退縮に重要な働きを持つことを明らかにしてきた。さらに、細胞運動時のアクチン骨格の再構築に対するコフィリンの活性制御の役割を明らかにするために、分割GFPを用いてコフィリンとアクチンの結合を検出するプローブの作製を進めてきた。その結果、不可逆的ではあるがコフィリンとアクチンの結合に依存して蛍光発色する分割GFPプローブを作製することが出来た。このプローブを昆虫細胞に発現させて大量精製し、LIMキナーゼとSlingshotの活性をGFPの発色を指標としてin vitroで高感度に測定する方法を作製し、LIMキナーゼとSlingshotの阻害剤のハイスループットスクリーニング法を確立した。これを用いて、既存のキナーゼ阻害剤や化合物を数百種類用いてLIMキナーゼとSlingshotの阻害剤のスクリーニングを行った。その結果、細胞内チロシンキナーゼであるSrcファミリーに対する特定の2種類の阻害剤がLIMキナーゼに対しても作用することを発見した。これらの阻害剤が、LIMキナーゼの過剰発現による細胞内のアクチン過重合を解除すること確認した。また、その一つはLIMキナーゼに作用する濃度で細胞運動や神経突起伸展に阻害効果を示すことが報告されている。この阻害剤を用いることで、アクチン骨格再構築におけるコフィリンのリン酸化の役割が詳細に解析できると考えている。さらに、これらの阻害剤の誘導体の中でLIMキナーゼに特異性の高いものを探索し、癌転移や炎症の抑制剤のシーズとなる化合物の発見を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Actin filaments-stabilizing and -bundling activities of cofilin-phosphatase Slingshot-12007

    • 著者名/発表者名
      Kurita, S. et al.
    • 雑誌名

      Genes Cells 12・5(印刷中)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Cofilin critically contributes to stimulus-induced lamellipodium formation by generating an abundant supply of actin monomers in the cytoplasm2007

    • 著者名/発表者名
      Kiuchi, T. et al.
    • 雑誌名

      J. Cell Biol. 印刷中

  • [雑誌論文] LIM-kinase and slingshot are critical for neurite extension2007

    • 著者名/発表者名
      Endo, M. et al.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 印刷中

  • [図書] 遺伝子医学MOOK6 シグナル伝達病を知る「アクチン骨格の再構築制御とシグナル伝達」(菅村和夫編)2006

    • 著者名/発表者名
      大橋一正, 水野健作(分担、1項目)
    • 総ページ数
      317
    • 出版者
      メディカルドゥ

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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