研究課題
DNA修復に関わる新規因子として、ポリメラーゼQ、UBC13、H2AXなどをターゲットとしてニワトリ細胞DT40、ヒトHeLa細胞などを用いて解析を行った。解析法としては、DNA損傷に対する感受性試験、緑色蛍光タンパク質(GFP)標識法や免疫蛍光染色法による細胞内のタンパク質の挙動、生化学解析法などを使用した。その結果、1)ポリメラーゼQは、レーザーによる損傷後直ちに損傷部位に集積し、5分後には消失することが判明した。さらに、ポリメラーゼQ欠損株による感受性試験と生化学解析の結果、ポリメラーゼQは塩基除去修復に関わる新規のタンパク質であることがわかった。2)UBC13はユビキチン化に関与する機能不明なタンパク質であった。今回UBC13欠損株およびUBC13ノックダウン株を作製して、UBC13が2重鎖切断修復に必須の酵素であることを発見した。UBC13欠損株は様々なDNA損傷剤に高い感受性を示した。UBC13欠損株は組換えタンパク質Rad51の集積が消失していた。また、DNA損傷に関わる重要なタンパク質であるH2AXのユビキチン化が消失していた。レーザーを用いたDNA損傷実験より、UBC13がない状況下では、切断DNA末端を処理して修復に導く様々なタンパク質が切断端に集積しないことがわかった。3)ピストンH2AXタンパク質のリン酸かは放射線照射後、直ちに誘導されるが、このリン酸化が組換え修復に重要な働きをしていることを見いだした。これらの3つの成果は、論文にまとめ発表した。
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