研究課題/領域番号 |
17570162
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
堀尾 哲也 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (50222279)
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研究分担者 |
紅 朋浩 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00222513)
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キーワード | 極性成長 / 糸状菌 / 微小管 / アクチン / 生細胞観察 / 蛍光標識 / リアルタイム |
研究概要 |
細胞の極性成長は、神経細胞、花粉管など普遍的に見られ、糸状菌はその典型的なモデル系である。糸状菌の成長端には特異的な微小管制御機構が存在し、速く持続的な成長維持に関与すると考えられる。 1.先端成長維持機構の解析 ▼蛍光標識アクチン発現株の生細胞観察: アクチンは、あらゆる細胞の成長に必須である。蛍光標識アクチン発現株を用いた生細胞観察を行い、(1)速く成長する菌糸でみられる細胞先端から数μm内側のアクチンパッチの集積が、微小管に依存する事、(2)速く安定した先端成長には、このアクチンパッチ構造が必須である事を明らかにした。 ▼先端成長におけるSNARE分子の動態の観察: SNAREは、膜融合を司る一連の分子群の総称で、先端成長での細胞膜、細胞壁の拡張に必須であると考えられる。トランスファー(t-)SNARE、小胞性(v-)SNAREそれぞれに蛍光標識を行い生細胞観察した。t-SNAREは細胞膜上にほぼ満遍なく、v-SNAREは成長端付近に局在する事が明らかになった。アクチン結合タンパク質(abp1)との同時観察により、v-SNAREの局在が細胞先端から先端直下のアクチンパッチ領域までに限定される事が分った。 2.モータータンパク質の網羅的解析: A.nidalansゲノム中には11種のキネシンが存在する。これらの内9種について、そのプロモーターを誘導可能な祖(渦遺伝子のものに置換した。試したものの中には、発現の抑制・過剰発現により致死となるものは無かったが、発現量の変化によって、菌糸の形状に異常を引き起こすものが抑制、過剰発現それぞれについて数種存在する事が明らかになった。すべてのキネシンにC-末蛍光タンパク質標識を行い局在を観察した。11種中9種で観察可能な蛍光像が得られ、成長端近傍に集積するもの、核に局在するもの、特定の局在が認められないもの、の3種に分類された。
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