研究課題/領域番号 |
17570163
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
檜枝 美紀 愛媛大学, 医学部, 特任助手 (00380254)
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研究分担者 |
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
難波 大輔 愛媛大学, 医学部, 特任助手 (10380255)
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キーワード | HB-EGF / ヘパリン結合型EGF様増殖因子 / EGF様増殖因子 / エンドサイトーシス / メンブレントラフィッキング |
研究概要 |
上皮増殖因子(EGF)ファミリー分子であるヘパリン結合型EGF様増殖因子(HB-EGF)はI型の膜タンパク質として合成され細胞膜に発現する。そして刺激に応答し、EGF様増殖因子領域は細胞外へ遊離される。増殖因子の遊離後、細胞膜に残る膜貫通領域と細胞質内領域をもつカルボキシル末端ペプチド断片はPLZF(promyelocytic leukemia zinc finger)をはじめてとする転写調節因子に結合し、遺伝子発現を調節する。私達はこの転写調節機構を分子レベルで明らかにするために、HB-EGFカルボキシル末端膜貫通型ペプチド(HB-EGF-C)の細胞内局在制御機構を明らかにすることを目的として研究をすすめた。 まず最初に細胞外へEGF様増殖因子領域を放出した後のHB-EGF-C挙動を経時的に詳細に観察した。その結果、HB-EGF-Cはエンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれ、さらにHB-EGF-Cは膜貫通領域を保持したままリサイクリングエンドソームを経由し、核膜に移行する事を示唆する結果を得てきている。さらに、HB-EGF-Cの欠失変異体を、ある核膜内膜タンパク質の膜貫通領域との融合タンパク質として発現させたところ、HB-EGF-Cのある領域が核膜集積に必要であることが明らかになってきた。また、ある1アミノ酸置換変異体は核膜に集積することができないことも観察されており、現在この細胞内移動メカニズムを分子レベルで説明するために解析を行っている。
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