研究課題/領域番号 |
17570174
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小出 寛 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70260536)
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研究分担者 |
横田 崇 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50134622)
柴田 進和 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (40372487)
三浦 美和子 金沢大学, 医学系研究科, 研究支援者 (00377417)
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キーワード | 幹細胞 / 自己複製 / 細胞分化 / ES細胞 / シグナル伝達 |
研究概要 |
本年度は、昨年度にSTAT3の標的分子として見い出したSTAT3-activated gene 3(S3A3)についての解析を行った。すでに昨年度に、この遺伝子を欠損したES細胞が樹立可能であることから、この分子がES細胞の未分化性維持には必須でないことを明らかにしていた。そこで本年度はES細胞の未分化/分化のスイッチングにおけるS3A3の機能を解析した。まず発現様式を調べた結果、S3A3は未分化状態のES細胞に多く発現していて、ES細胞の分化とともに、その発現量が低下することが明らかとなった。さらに、S3A3を過剰発現させるとLIF除去時におけるES細胞のコンパクトコロニーの破綻がわずかながら阻害されることを見い出した。またS3A3欠損ES細胞に胚葉体を形成させて分化を誘導したところ、内胚葉分化のマーカー遺伝子群の発現誘導が明らかに促進されていた。これらの結果はES細胞が未分化な状態から分化状態に移行する際に、S3A3の発現量によってその細胞の内胚葉系細胞への分化が調節されている可能性を示唆している。言い換えれば、ES細胞の未分化/分化のスイッチングにおいてS3A3が重要な役割を果たしていることを示唆している。このような性質から、申請者らはS3A3をSTAT3 downstream gene and differentiation regulator(Sddr)と名付けた。 これと平行してβ-cateninやGABPαのES細胞の未分化状態維持への関与についても解析を行い、β-cateninがOct-3/4と結合してNanogの発現を誘導することや、GABPαがOct-3/4リプレッサーの発現抑制を介してOct-3/4の発現を調節することを明らかにした。
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