研究課題/領域番号 |
17570176
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
酒巻 和弘 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (20271017)
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研究分担者 |
上野 直人 京都大学, 基礎生物学研究所・形態形成研究部門, 教授 (40221105)
横田 秀夫 京都大学, 理化学研究所・VCAT開発チーム, チームリーダー (00261206)
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キーワード | トランスジェニックカエル / Cre / GFP / 3次元画像 |
研究概要 |
我々は、Creリコンビナーゼ蛋白の作用により、体の色が緑色蛍光から赤色蛍光に置換することが期待されるトランスジェニック(Green/Red-Tg)カエルを用いて、新たな細胞系譜の作製、並びに器官形成や組織の構築パターンを立体的な3次元画像として視覚化することを目標に研究を進めた。昨年度は、Green/Red-Tgカエル由来の受精卵において、Cre mRNAの注入による緑色蛍光から赤色蛍光への組み換え効率を調べた。Cre mRNAを導入した胚では、極一部の細胞においてのみ赤色蛍光が観察されたが、組み換え効率が悪かった。その原因を探るために、本年度は先ずGreen/Red-Tgカエルにおいて、Cre/loxPによる遺伝子発現誘導系が正常に機能するか検討した。さらに、Cre mRNAを効率よく生体に導入するための手法についても検討した。心筋アクチン-プロモーター制御下にCreを発現する(CAR-Tg)カエルをGreen/Red-Tgカエルと交配させて子孫を作り、それら個体の筋肉組織が緑色蛍光から赤色蛍光に置換するか調べた結果、筋肉組織が全て赤色蛍光に変換しており、Green/Red-Tg系統においてCreによる組み換えが効率良く起きることを確認した(Waldner et al. Dev.Dyn.,2006)。次にCre mRNAの導入方法について検討した結果、マイクロインジェクション法よりもエレクトロポレーション(EP)法が優れていることが判明した。現在、胚の片側にEP法でCre mRNAを導入し、左右非対称性を示す心臓や膵臓などの臓器形成過程、或いは神経細胞の左右を交叉した伸長化における蛍光タンパクの発現様式について調べており、器官形成や臓器形成に左右の領域がどのように寄与するのか、今後解析結果をまとめ公表したい。
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